電話対応をAIに任せる方法|自動応答の費用相場と導入手順

電話が鳴るたびに作業の手が止まる。営業電話なのか大事な用件なのか、出てみないと分からない。担当者が不在だと折り返しの伝言だけで一日が終わる——。電話対応は「誰かが必ず拘束される」のに成果が見えにくい業務の代表格です。この記事では、AIによる電話自動応答で何をどこまで任せられるのか、費用の相場観と導入手順、人が出るべき電話との線引きまでを一緒に整理していきます。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 電話対応のAI化は「一次受付をAIに任せ、人は必要な通話だけに出る」体制づくり。全部をAIにする必要はない
- 手段は「IVR(自動音声の振り分け)」「AI電話自動応答(ボイスボット)」「AI電話代行」の3カテゴリ。月数万円規模からが相場観(目安・要見積)
- 成功のカギは着信内容の棚卸し。よくある用件の上位を洗い出し、定型の問い合わせからAIに渡す
電話対応がAI化の狙い目になる理由
電話対応の負担は、通話時間そのものよりも「中断」にあります。作業中に電話が鳴れば手を止め、終わった後に集中を取り戻すまで時間がかかる。しかも中小企業の着信を分解してみると、営業電話、営業時間や場所の確認、担当者への取り次ぎ、折り返し依頼など、パターンの決まった用件がかなりの割合を占めます。
パターンが決まっている仕事はAIの得意分野です。近年は音声認識と生成AIの進化で、機械音声が用件を聞き取り、質問に答え、内容をテキストで担当者に通知する「AI電話自動応答(ボイスボット)」が中小企業でも現実的な選択肢になりました。電話番の常駐が不要になれば、人手不足対策としての効果も大きくなります。人手不足の打ち手全体の考え方は人手不足の解決策マップで整理しています。
AIに任せられる電話・人が出るべき電話
最初に押さえたいのは、電話対応のAI化は「全通話の無人化」ではないということです。任せる範囲と人が残す範囲を線引きすることから始まります。
営業時間・場所・サービス内容などの定型質問/営業電話の一次対応/担当者不在時の用件受付/予約・注文の受付など手順が決まったやり取り
クレーム・トラブルの対応/込み入った相談や交渉/重要顧客からの電話/緊急対応が必要な連絡
注意
クレームや緊急の電話までAIで完結させようとすると、かえって顧客の不満を大きくします。「AIが用件を聞き取り、必要なものはすぐ人につなぐ・折り返す」という逃げ道を必ず設計に入れてください。
手段は3カテゴリ|仕組みと費用の相場観
電話対応を自動化・省力化する手段は、大きく3つのカテゴリに分かれます。製品ごとの機能差はありますが、まずはこの分類で自社に合う型を見つけてください。金額は目安であり、通話量やオプションによって変わるため要見積です。
| カテゴリ | 仕組み | 向くケース | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| IVR(自動音声振り分け) | 「◯◯の方は1を」で用件別に振り分け・音声案内 | 用件の種類がはっきり分かれている | 月数千円〜数万円程度 |
| AI電話自動応答(ボイスボット) | AIが会話形式で用件を聞き取り、回答・記録・通知まで行う | 定型の問い合わせ・受付が多い | 月数万円規模から |
| AI電話代行・取次サービス | AIや人+AIが一次受付し、内容をチャットやメールで通知 | とにかく電話番をなくしたい | 月1〜数万円程度から |
選ぶ基準は「どこまで自動で完結させたいか」です。振り分けだけでよいならIVR、会話での受け答えまで任せたいならボイスボット、まず電話番からの解放が目的なら代行型、という整理が出発点になります。なお、電話と並んでメール・Webの問い合わせが多い場合は、チャットボットとの組み合わせも有効です。詳しくは問い合わせ対応を自動化する|チャットボット導入の判断基準をご覧ください。
導入手順|4ステップ
STEP1:着信の棚卸しをする
1〜2週間、電話の件数と用件をメモします。「営業電話が3割、営業時間の質問が2割」など、内訳が見えると任せる範囲を決められます。
STEP2:任せる範囲と応答シナリオを決める
棚卸し上位の定型用件から、AIの応答内容と「人につなぐ条件」を決めます。最初は用件の聞き取り+よくある質問への回答程度で十分です。
STEP3:トライアルで実際にかけてみる
自分やスタッフが顧客のつもりで電話し、聞き取り精度・応答の自然さ・通知の分かりやすさを確認します。
STEP4:時間帯を区切って運用開始
まずは営業時間外や昼休みだけAIに任せ、様子を見ながら日中の一次受付へ広げると、顧客の反応を確かめながら移行できます。
- 着信の件数と用件の内訳を把握したか
- AIに任せる用件と人につなぐ条件を決めたか
- 受け取った用件の通知先(チャット・メール)を決めたか
- 自分で試しにかけて、顧客目線で違和感がないか確認したか
なお、こうしたAI・デジタルツールの導入費用は、要件次第でデジタル化・AI導入関連の補助金の対象になり得ます。制度は公募回・年度で変わるため、AI導入に使える補助金・助成金 完全ガイド【2026年版】もあわせて確認してみてください。
つまずきポイント
「うちの客層は電話じゃないと失礼」と全件人対応を続けてしまう
たしかに大事な顧客との通話は人が出るべきです。ただ、棚卸しをすると着信のかなりの割合が営業電話や定型質問だったというのはよくある話です。「大事な電話に今までどおり出るために、それ以外をAIに任せる」と捉え直すと、顧客対応の質はむしろ上がります。
AIに任せきりで、聞き取った用件を誰も見ていない
ボイスボットは用件をテキストで通知してくれますが、通知を確認して折り返す運用が決まっていないと「電話がつながらない会社」になってしまいます。通知の確認担当と折り返しの目安時間をセットで決めてから運用を始めましょう。
よくある質問
Q. AIの自動応答にすると、お客様に失礼になりませんか?
A. 設計次第です。定型の質問にすぐ答えが返る、営業時間外でも用件を伝えられる、という点はむしろ顧客の利便性向上になります。一方でクレームや相談まで機械で完結させると不満につながるため、「必要なときはすぐ人につながる」導線を残すことが大切です。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. IVRなら月数千円〜、AI電話自動応答(ボイスボット)は月数万円規模から、AI電話代行は月1〜数万円程度からが相場観です。通話量・回線数・シナリオの複雑さで変わるため、あくまで目安として捉え、必ず見積もりで確認してください。
Q. 導入にITの専門知識は必要ですか?
A. 多くのサービスはクラウド型で、電話の転送設定と管理画面でのシナリオ設定ができれば始められます。工事や専用機器が不要なものが中心です。応答シナリオの作り込みはサービス提供側がサポートしてくれる場合も多いので、契約前にサポート範囲を確認しておくと安心です。
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