令和9年度概算要求に「省力化・デジタル化・AI投資補助金」が登場|中小企業にとっての意味

中小企業庁が「令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等ポイント」を公表し、ミラサポplusで8月31日に案内されました。来年度(2027年度)の予算要求の中に、「省力化・デジタル化・AI投資補助金」という新しい名称の補助金が盛り込まれています。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実:令和9年度概算要求に「省力化・デジタル化・AI投資補助金」が登場。AIを含むデジタル技術の活用と省力化設備の導入を一体的に支援する内容として記載
- 意味:現行の「デジタル化・AI導入補助金」と「省力化投資補助金」を再編する形とみられ、来年度はAI関連補助金の枠組みが変わる可能性がある
- アクション:概算要求はあくまで「要求」段階。今年度の公募(デジタル化・AI導入補助金 第5次は9月29日締切など)を使い切ることを優先する
発表の事実
公表された資料「令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等ポイント」によると、経済産業省関係の概算要求のうち「賃上げ起点の成長戦略と地域産業クラスター形成(中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化と賃上げの好循環の実現等)」として1兆3,841億円が要求されています。
中小企業向けの主な予算項目として、独立行政法人中小企業基盤整備機構の運営費交付金(6,980億円・一部投資枠)の中に、次の補助金が並んでいます。
| 補助金名 | 資料に記載された内容 |
|---|---|
| 省力化・デジタル化・AI投資補助金 | 人手不足や生産性向上等の課題を抱える中小企業・小規模事業者等を対象に、業務効率化やAX・DXの推進に向け、AIを含むデジタル技術の活用や省力化設備の導入を一体的に支援 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 売上高100億円超を目指す中小企業の大胆な投資を支援 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 「成長志向の経営計画(仮称)」を宣言する者を含む小規模事業者等の販路開拓等を支援 |
| M&A・事業承継補助金 | M&A・事業承継に際しての設備投資や専門家活用費用等を支援 |
あわせて、AI導入支援の体制面では「地域AXネットワーク事業」が記載されています。地域ごとに中小企業とAIサービス提供者、支援者(商工会・商工会議所、税理士、金融機関、高専等)が出会う場を全国に構築してAI導入を伴走支援し、業種別にAI導入の進め方・手法を整理した「業種別ガイドライン」を作成・周知するとされています。
このほか、中小企業向け賃上げ促進税制の拡充、中小企業経営強化税制の拡充、新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業(2,200億円・投資枠)などが盛り込まれています。
中小企業にとっての意味
注目したいのは補助金の「名前」です。現行制度では、AIツールやITツールの導入は「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)、省力化設備の導入は「中小企業省力化投資補助金」と、2つの制度に分かれています。今回の概算要求に登場した「省力化・デジタル化・AI投資補助金」は、その両方の要素をひとつの名称にまとめており、説明文でも「AIを含むデジタル技術の活用や省力化設備の導入を一体的に支援」とうたわれています。このことから、来年度は現行の2制度を統合・再編する形になるとみられます(制度の詳細は現時点では未公表です)。
中小企業側から見ると、「ソフトはこっちの補助金、設備はあっちの補助金」と申請先を使い分ける必要があった現状に比べ、窓口が整理される方向は歓迎できる変化です。一方で、制度が変わる年は公募開始時期・要件・対象経費が読みにくくなるのが常です。「来年度の新制度を待つ」という判断は、想定より公募が遅れたり要件が変わったりするリスクを伴います。
ありがちな誤解:概算要求=決定ではない
概算要求は、各省庁が財務省に「来年度これだけの予算が欲しい」と要求する段階のものです。年末の予算編成・国会審議を経て内容や金額が変わることは珍しくありません。「この補助金が来年できる」と確定したわけではない点は押さえておきましょう。
今やるべきこと
- AI導入・省力化投資を検討中なら、まず今年度の公募を確認する(デジタル化・AI導入補助金 第5次は9月29日締切、省力化投資補助金(一般型)第8回は9月中旬受付開始予定)
- 「来年度の新制度待ち」にする場合は、公募時期・要件が現時点で未確定であるリスクを織り込んでおく
- 自社の業種で「業種別ガイドライン」が出てきたときにすぐ活かせるよう、省人化したい業務の棚卸しを進めておく
- 年末の予算編成・令和9年度予算案の公表時期に、続報をチェックする
出典
※本記事は2026年9月1日時点の公開情報にもとづきます。概算要求の内容は今後の予算編成で変更される可能性があります。最新は公式サイトで必ず確認してください。
「人が足りないのに、何から手をつければいいか分からない」——そんな時は。
AI参謀を運営する株式会社オタツーは、EC運営代行4,000件以上の現場で培ったAI活用の知見をもとに、中小企業のAI導入・業務省人化を伴走支援しています。補助金の活用可否も含めて、まずは無料でご相談ください。