ものづくり補助金 第23次の採択率は約35%|これで公募終了、中小企業にとっての意味

中小企業庁が2026年8月7日、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」第23次公募の補助金交付候補者を公表しました。申請1,275者に対して採択は448者。あわせて本公募回をもって同補助金の公募を終了することが明記されています。長く「ものづくり補助金」と呼ばれてきた制度が、一区切りを迎えました。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実:第23次公募は申請1,275者/採択448者(単純計算で採択率約35%)。この回をもって公募終了と中小企業庁が明記
- 意味:「ものづくり補助金」という入口はもう無い。設備・システム投資の相談先は「新事業進出・ものづくり補助金」など後継・別制度へ移る
- アクション:省人化・AI導入が目的なら、まず省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金を先に当たる。新事業進出・ものづくり補助金 第1回は8月31日受付開始・9月30日締切(予定)
発表の事実
中小企業庁の公表内容によると、第23次公募の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公募期間 | 令和8年2月6日(金)〜令和8年5月8日(金) |
| 申請数 | 1,275者(製品・サービス高付加価値化枠 1,169者/グローバル枠 106者) |
| 採択数 | 448者(製品・サービス高付加価値化枠 418者/グローバル枠 30者) |
| 関税加点の対象 | 採択のうち117者が、米国の追加関税措置の影響を受けた事業者への優先採択(審査上の加点)対象 |
| 公表日 | 2026年8月7日 |
申請数と採択数から単純に計算すると、全体の採択率は約35.1%。枠別では製品・サービス高付加価値化枠が約35.8%、グローバル枠が約28.3%です(いずれも公表値からの単純計算)。
最大のニュースは採択率ではなく「公募終了」
公表文には「本公募回をもってものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金については公募を終了しました」と明記されています。次の第24次を待つ、という選択肢はありません。
中小企業にとっての意味
ものづくり補助金は、設備投資やシステム導入を考える中小企業にとって、長く「まず名前が挙がる制度」でした。取引先や金融機関との会話で「ものづくり補助金で入れたら?」と言われた経験のある経営者は多いはずです。その共通言語が今回で終わる、というのが実務上の一番大きな変化です。
ただ、これは支援が無くなったという話ではありません。近年の制度再編で、目的別に受け皿が分かれてきた結果と捉えるほうが実態に近いでしょう。「ものづくり補助金でやりたかったこと」を、どの制度に振り分けるか——という読み替えが必要になります。
新事業進出・ものづくり補助金
新市場・新分野への進出をともなう事業再構築や設備投資。第1回は令和8年8月31日 受付開始/9月30日 18時 締切(予定)。賃上げ要件など共通要件があり、計画の作り込みが重い
省力化投資補助金
人手不足の解消・省人化が主目的ならここ。カタログ注文型は登録済み製品から選ぶ形で申請負担が軽く、一般型はオーダーメイドの省力化投資に対応
デジタル化・AI導入補助金
ソフトウェア・クラウドサービスの導入が中心ならここ。登録されたITツールを支援事業者と組んで導入する形。金額規模は小さいが到達しやすい
小規模事業者持続化補助金
従業員数の少ない事業者向け。販路開拓とあわせた業務効率化の取組も対象になり得る。第19回の採択率は約47%だった
採択率約35%という数字も、あわせて読んでおく価値があります。同じ時期に公表された小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第19回が約47%だったことと比べると、ものづくり系は明確に狭い門でした。事業計画の作り込みに数十時間かける前提の制度だった、ということです。
AI参謀としてお伝えしたいのは、省人化・AI導入が目的なら、そもそもものづくり系が最適とは限らなかったという点です。「大きな金額が出るから」という理由でものづくり補助金を目指し、計画づくりで消耗して結局何も導入しなかった——という会社を、この数年よく見かけました。
やりたいことを先に決めて、制度を後から選ぶ。「電話対応の負担を半分にしたい」が先にあれば、省力化投資補助金かデジタル化・AI導入補助金か、自然に絞れる。
制度を先に決めて、やりたいことを後から作る。補助上限額の大きい制度に合わせて計画を膨らませ、不採択なら何も残らない。採択されても現場で使われない。
「制度が終わった」と「支援が無くなった」は別
制度名が変わっただけで支援の趣旨が引き継がれるケースもあれば、要件が実質的に厳しくなるケースもあります。金融機関や支援機関から「ものづくり補助金で」と勧められたときは、「今もその名前の公募はありますか」と一度確認するのが安全です。制度は年度・公募回で変わります。最新は必ず公式サイトと公募要領でご確認ください。
今やるべきこと
- ものづくり補助金を前提に検討していた投資計画があるなら、「これは新事業進出なのか、省人化なのか、IT導入なのか」を先に分類し直す
- 省人化が目的なら、省力化投資補助金(一般型・カタログ注文型)を先に確認する。一般型 第8回は8月中旬 公募開始予定と案内されている
- ソフト・クラウド中心ならデジタル化・AI導入補助金2026。通常枠などの第4次締切は2026年8月25日(火)17時
- どの制度でもGビズIDプライムが必要。取得には日数がかかるため、制度を選ぶ前に取得手続きだけ先に走らせておく
ひとつの制度が終わることは、投資の判断そのものを変える理由にはなりません。「人が足りない」「この作業を減らしたい」という課題が先にあるなら、受け皿はまだ複数あります。ただし補助金の金額・要件・締切は公募回ごとに変わりますので、申請前に必ず公式の公募要領で最新をご確認ください。
出典
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(第23次公募)の補助金交付候補者を採択しました|中小企業庁(2026年8月7日)
- 補助金採択結果|中小企業庁
- 中小企業省力化投資補助金
- 事業スケジュール|デジタル化・AI導入補助金2026
※本記事は2026年8月9日時点の公開情報にもとづきます。採択率は公表された申請数・採択数からの単純計算です。各制度の要件・締切は公募回で変わります。最新は各事務局の公式サイトで必ず確認してください。
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