新事業進出・ものづくり補助金 第1回は8月31日申請受付開始|中小企業にとっての意味

中小企業庁・中小機構が公募している「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募について、申請受付が令和8年8月31日(月)に始まり、応募締切は9月30日(水)18時とされています。公募開始は6月29日、7月17日にはスケジュールの変更と公募要領PDFの更新も告知されました。受付開始まで残り4週間を切っています。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実:第1回公募は申請受付 8月31日(月)〜応募締切 9月30日(水)18時厳守。採択発表は令和8年12月予定。電子申請でGビズIDが必須
- 意味:3つの枠すべてに賃上げ年平均3.5%以上・付加価値額年平均4.0%以上などの共通要件がある。「設備投資を伴う成長投資」向けで、AIツールを入れるだけの用途とは狙いが違う
- アクション:GビズIDプライムの取得状況を今日確認する。賃上げ要件を満たせるか経営として判断する。省人化だけが目的なら他制度との比較から始める
発表の事実
中小企業庁のミラサポplusおよび事業の特設サイトによると、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募のスケジュールは次のとおりです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 令和8年6月29日(月) |
| 申請受付 | 令和8年8月31日(月) |
| 応募締切 | 令和8年9月30日(水)18:00 厳守 |
| 採択発表 | 令和8年12月(予定) |
申請枠は3つで、枠ごとに補助上限額・補助率・補助下限額が異なります。公表されている内容は次のとおりです。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助下限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 2,500万円 (賃上げ特例適用時 3,500万円) | 100万円 | 中小企業者 1/2 (一定条件で2/3)/小規模事業者 2/3 |
| 新事業進出枠 | 7,000万円 (賃上げ特例適用時 9,000万円) | 750万円 | 中小企業者 1/2 (一定条件で2/3) |
| グローバル枠 | 7,000万円 (賃上げ特例適用時 9,000万円) | 750万円 | 中小企業者 2/3 |
そして3つの枠に共通して、3〜5年の事業計画で次の要件を満たすことが求められると示されています。
- 付加価値額 年平均成長率 4.0%以上
- 賃上げ 年平均 3.5%以上
- 最低賃金 地域別最低賃金 +30円以上
- 一般事業主行動計画の公表
申請は電子申請で、GビズID(プライム)が必須とされています。なお特設サイトのお知らせでは、令和8年7月17日に「第1回 公募要領PDFを更新」「第1回公募のスケジュールを変更」が告知されています。
締切は必ず自社の申請枠で確認を
基本スケジュール上の応募締切は9月30日18時ですが、公表資料には別日程(10月30日18時)の記載も見られ、どの枠・どの手続きに対応するかは公募要領で確認する必要があります。制度・スケジュールは公募回で変わります。自社が申請する枠の締切と提出書類は、必ず最新の公募要領で確認してください。
中小企業にとっての意味
まず率直に申し上げると、この補助金は「AIツールを入れて業務を楽にしたい」という目的の入口としては、必ずしも第一候補ではありません。補助下限額が100万円(新事業進出枠・グローバル枠は750万円)と設定されていることからも分かるように、想定されているのは設備投資を伴う、まとまった規模の成長投資です。
その代わり、次のような検討をしている会社にとっては、規模の大きい選択肢になり得ます。
🏭 省人化ラインの新設
人手に依存している工程を、設備+ソフトウェアでまとめて作り替える
🧪 新製品・新サービス開発
技術的な新規性を伴う開発に、AIや自動化を組み込む
🌏 新市場・輸出への進出
既存事業と異なる市場に出るための設備投資
今回の要件で経営判断として重いのは、補助額の大きさよりも賃上げ 年平均3.5%以上・最低賃金+30円以上という共通要件のほうだとみられます。これは補助事業が終わったあとも数年にわたって続く約束であり、目先の設備投資の話ではなく中期の人件費計画の話です。しかも令和8年度は最低賃金そのものが引き上げられる年で、目安どおりなら全国加重平均は1,176円になります(関連記事参照)。「補助金がもらえるから申請する」ではなく、「この賃上げ水準を続けられる収益構造をつくる投資かどうか」が、実質的な判断軸になります。
ありがちな失敗:GビズIDを後回しにする
電子申請にはGビズIDプライムが必要ですが、アカウントの発行には手続きと時間がかかります。「締切1週間前に着手したらIDが間に合わなかった」というのは、補助金でもっとも多い取りこぼしのひとつです。申請するか決めきれていない段階でも、IDの取得だけは先に済ませておくと後で困りません。
逆に、「まずは日々の業務の負担を減らしたい」「AIで事務作業を巻き取りたい」という段階であれば、デジタル化・AI導入補助金や省力化投資補助金のほうが、金額規模も手続きの重さも自社に合っている可能性があります。制度の使い分けは関連記事で整理しています。
今やるべきこと
- GビズIDプライムを持っているか確認する。無ければ今週中に申請手続きに着手する
- 自社が該当しそうな枠(革新的新製品・サービス/新事業進出/グローバル)を1つに絞り、その枠の公募要領を通しで読む
- 賃上げ年平均3.5%以上を3〜5年続けられるか、収支計画のうえで経営として判断する
- 目的が「業務の省人化」だけなら、デジタル化・AI導入補助金や省力化投資補助金と比較してから決める
- 申請すると決めたら、8月中に事業計画の骨子(誰の何をどう変えるか・数値目標)を書き出しておく
受付開始まで4週間。この期間にできるのは書類作成そのものより、「本当に自社が取るべき投資か」を決めることです。そこさえ決まれば、書類は後から形にできます。
出典
- 【補助金】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開【申請受付期間:8/31〜9/30】|ミラサポplus(中小企業庁)
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募要領を公開しました|中小企業庁
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 特設サイト|中小機構
- <新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業>第1回公募要領を公開しました|独立行政法人中小企業基盤整備機構
※本記事は2026年8月5日時点の公開情報にもとづきます。補助金の金額・要件・スケジュールは公募回や年度で変わり、公募要領も更新されます。申請前に必ず公式サイトの最新の公募要領および専門家でご確認ください。
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